どうしてデザイン思考なんだろう?

 
 

デザイン思考は、デイビット・ケリー氏(IDEO社、創業者)が、その幅広い経験から生み出したイノベーションや解決策へ至るためのアプローチ手法です。2005年には、デザイン思考を教えるための学校「d.school」が、スタンフォード大学内に創設されました。このデザイン思考を身につけた人々が、シリコンバレーや様々な業界で活躍するようになり、この手法が大変注目されるようになリました。

デザイン思考は、IT業界や科学、医療といった理系の分野にだけに止まらず、飛行機の慢性的な発着の遅れの解消や、企業のカスタマーサービスの向上、キッチン用品の開発など、実に多岐にわたる分野において、その有効性が認められています。

「デザイン思考は、使う人を中心に考えた方法論です。人を中心にしたイノベーションの方法というのは、人のニーズ、テクノロジーで実現可能な事、そして、ビジネスが成功するために必要な条件という3つの要素をインテグレートしたデザイナーがよく使う手法なのです。」 〜デイビット・ケリー氏

「存在する制限の中でアップグレードをする事がデザイン思考」〜ティム・ブラウン氏(IDEO社、CEO)

デザイン思考では、数多くのアイディアを出してみる事、スケッチを描いたり、流れを紙に描いたり、プロトタイプ(模型)を作ったりする事を、とても大切にしています。思いつきを声に出してみて、手を動かして考えて、ひとまず目に見える形にしてみる。そうすると、もっとこうしたらいいかもしれない、という発見が見えてきます。それにさらなる改善や修正を施して、また、プロトタイプを作ってみる。この繰り返しの中で、本当に人を中心に考えた製品や解決方法を編み出すことができるようになるのです。

今、世界の多くの最先端の中学や高校では、このデザイン思考をクラスルームに取り入れ、STEAM教育としてScience 科学、Technology技術、Engineeringエンジニアリング、Art 芸術、Mathematics数学の分野で活躍する将来の人材を育てています。

デザイン思考を取り入れたSTEAM教育の特色は、グループで課題の取り組み、インタビュー、ブレーンストーミング、プロトタイプ作り、フィードバックを通じて、発想力、コラボレーション力、積極性、そして、失敗を怖がらないレジリアンス力が育つことです。

※STEAM教育についてもっと詳しく知りたい方はこちら

世界の生徒の学力を測定するPISAのテスト結果を見ると、日本の女子高校生は、数学やサイエンス科目でも世界トップの成績を誇っています。(図1&図2)しかし、その後、大学で技術系やサイエンス系の専攻を選択する女子学生の割合は、最低レベルに落ち込んでしまうのです。

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図1

図2

 STEAM分野は女子にとっても面白い分野であり、女子がSTEM分野に入っていく事で、男子の視点とは異なった発見や発展を遂げることができる分野です。より多くの日本の女子生徒が、良い成績を修めるだけで終わらず、勇気と自信を持ってSTEAM分野に乗り出し、活躍していくためには、早くからデザイン思考のアプローチを理解し、自分の中に取り入れていくことが重要です。

女の子が学びやすい環境、指導方法の元、楽しみながらイノベーション、科学、エンジニアリングに目を向けるためのスカイラボのデザイン思考サマーワークショップ、この夏、是非、挑戦してみてください。